第9回(2022年)受賞者
受賞者1
東北大学大学院情報科学研究科 森下睦さん(現 NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
受賞理由
本論文は、現代の機械翻訳において重要な大規模対訳コーパスの構築と、特定ドメインへの適応を中心に、機械翻訳の実用的課題に取り組んだ博士論文である。Webクローリングによって2000万文超の日英対訳コーパスJParaCrawlを構築・公開したことは大きな貢献である。WMT2020、WMT2021においても同コーパスを利用したタスクをオーガナイズしその有用性を実証している。また、機械翻訳のドメイン適応について、クラウドソーシングの活用という新たな試みにより全自動では困難であった精度向上を実現している。以上の理由から本論文は長尾賞学生奨励賞にふさわしいものと考える。

(2022年度は、COVID-19感染症の影響で授賞式をオンライン形式で行いました。)
受賞者2
東京工業大学情報理工学院 美野秀弥さん(現 NHK放送技術研究所)
受賞理由
本論文は、機械翻訳におけるドメイン適応と文脈利用に関する研究をまとめた博士論文である。機械翻訳のドメイン適応について、ドメインを表現する詳細なタグを設計・利用する方式を提案し、実験により実用性・有効性を示している。また、文脈利用について、従来原言語側の文脈を与える方法が一般的であったのに対して、露出バイアスを考慮した学習方法により目的言語側の文脈利用も有効であることを示している。本論文は、いずれの実験も網羅的に実施されており、実験結果の信頼性も高い。以上の理由から本論文は長尾賞学生奨励賞にふさわしいものと考える。

(2022年度は、COVID-19感染症の影響で授賞式をオンライン形式で行いました。)